三度、雨月と相見えた。
12月13日~16日まで、新百合ヶ丘の新しい劇場で行われた「雨月物語 蛇性の婬」が無事に幕を下ろした。
大変なことも、嬉しいこと楽しいことも共にしたこの作品に、そして共演者・スタッフに、あらためて御礼申し上げたい。
本当にお世話になりありがとうございました。
そして何より、当日劇場に足を運んでくださった多くのお客様には、それ以上の熱い気持ちで心より感謝の辞を述べたい。
今年8月に、富山県は利賀で初演し、その後9月に再演。
結果、優秀演出家賞を取ったこの作品が初めて東京で上演された。
利賀では野外公演だったために、今回は劇場用に演出も再考され、それはそれで新しい一つの作品に仕上がったのではないかと思う。
個人的にも学ぶことが多く、また、共演できる喜びもまた大きい。
一つ一つに誠意を持って、愛情をこめて創っていくこの劇団の特性は、他に類を見ない。
その細かさや気の配り方、
追求心・向上心は、
見ていても気持ちがいいし、一緒に創っていても、実に心地よい。
こういう舞台作りをしたいなぁとさえ思う。
わずか1時間足らずの公演で、しかし、時間以上に凝縮された中身は、きっとこれからの自分たちにとっての大きな財産になるに違いない。
そして、観に来てくださったお客様にも、
決してテレビや映画では感じることのできない、息遣いや直接心に訴える力というものを感じたことと思う。
舞台でしかできないこと、舞台でしか感じれないこと。
それが、舞台人にとっての心の支えで、またエネルギーにもなる。
純粋に舞台をやるという大変さと面白さ。
現場では、できない自分に悔しがる女の子たちがしょっちゅう舞台の片隅で泣いていた。
時には涙流しながら稽古をしていた。
悔し涙は、必ず人を成長させる。
それは舞台や役者に関わらず、どんな仕事でもそうだと思う。
こらえきれない感情が、初めて自分の中に生じた時、ようやく自分自身を知るからだ。
一体いつになったら悔しくなくなるのだろう、いつになったらできる自分になれるんだろう、そんなことを思い続けて、もうこんなに月日が絶っている(笑)。
恐れていては、前へ進めない。
悔し涙を笑うやつは、決して、前に出てくることはできない。
そう、思う。
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