万雷の拍手だったと思う。
『歌うものがたり ~歌手と役者とピアニストの会話!?~』が幕を下ろして、今、あらためて振り返ると、本当に楽しかったなぁの一言に尽きる。
やりたいことができた、
やりたかったことができた、
やりたいようにできた。
だからこそ、反省もあり、改善点も見つけられた。
一日2ステージで、しかも異なる内容で、時間もない中それができたのはきっと必然だったからだ。
特に今回力を注いだのは、夜の部の後半に演った『ドン・ホセ』。
オペラ「カルメン」を二人で演じる。
登場人物僅か二人。
それを、構成し、台本を書き、また、演出も考え、
そしてそれらを三人(正確に言うと五人)で創りあげた。
自分自身、まさかあんな台本が書けるとは思ってなかったし、また、あんな舞台が創れるとは思ってなかった。
わがままを存分に言い、好きなようにやらせていただけたのは、本当に幸せなことだし、また、それについてきてくれた全員に、本当は謝罪しなければならないのかもしれない。
当日、昼公演が終わってから、テクニカルをやり、そのあとにGPをしたのだが、
いつもなら冗談で、はぁやっと終ったよー…いやいやまだこれから本番ですから、なんておちゃらけるが、
やった、まだ後もう一回できる、まだできるんだ、と誰もが口にしてた。
何度もやりたい、
何度でもやりたい、
疲れたけど、始まるとつい本気になってしまう、そんなことってないよね、と、
あぁこれが「舞台」の幸せなことだ、
本気で笑いながら、本気で生きていた。
万雷の拍手だったと思う。
ホセとカルメンの物語が終り、
最後の音楽の中、
ゆっくりと明りが消えていき、全てが終りを告げたその瞬間の、あの独特の空気感を、誰もが感じていたであろう。
歌手と役者とピアニストの三人だけでやるオペラ。
オペラ、…って言えないか^^;
歌と台詞と音楽が、共存でもなく共走でもなく競走でもなく。
共生していた、
共生できた。
不可能はないんだ、って思えた。
決して、不可能なことなんて、ない。
ただ、やろうとしてなかっただけでできないと決めつけていただけ。
できることもできなくしていただけ。
やれば、できる。
そのための技術は、磨いてきた。
やらなければ、できるようにはならない。
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