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2010/11/08

そういう喜びを味わうことができた

本番中に、じわじわと緊張感が増していった。
っていうか、緊張し始めたら止まらなくなった。

岸本力バスリサイタルが無事に終わった。
関係者各位には本当にお世話になり、
また、ご来場いただきましたお客様には、心よりの御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
東京文化会館の楽屋口。と、上部は小ホールのホワイエ。

毎年お声をかけていただいているこのリサイタル。
ロシア歌曲なので、当然ロシア語。そして当然誰も判らないので、日本語訳された歌詞の朗読をしている。
のだが、今回はちょっと一味違った。
30歳という若さでこの世を去ったセルゲイ・エセーニンというロシアの詩人が主役。
ということで、
エセーニンの生涯を追ってのコンサート。

つまり、MCあり。

そして、これまた今回非常に勉強になった、
というか、
すごく嬉しい、新たな引き出し発見!


今までは、どんな形にせよ、必ず言葉から音楽に手渡すことで成立させていたのだが、
今回は、本当にアナウンサーのように、詩の文字面を淡々と読み上げ、あくまで情報のみを客席に届けることに徹し、そこに含まれる感情は一切表現しない、という要求を頂いた。

もちろん、やっててすごく違和感あるし、気持ち悪いんだけど、
(しかもすっごい難しいし、しかも歌の感情につられそうになるんだよね)
いざそれでやってみると、
これが面白いように、音楽が正しく耳に入ってくる。

情報のみ提示徹底、大歓迎!! 的な、面白さ^^;

本番で、またこれも面白かったのが、主役の岸本さんが、本当に伸び伸びと、自分の表現したいことであろう感情を、本当に謙虚に表現できていた(ように思う)
そしてそれのなんと素晴らしいことか。

コンサートで朗読するってこういうことか、

って思い込めるくらい、全てが腑に落ちるような、そんな感覚。

こういう機会は、ない。
嬉しい機会であり、ありがたい機会。

さてではお客様の反応はどうだったかと言うと、
これまた一様に好評で、よかった我慢した甲斐あった、しかも岸本さんのコンサートでちゃんと岸本さんを主役にすることができた…
そういう喜びを味わうことができた。
(三位(歌手・ピアノ・語り)一体だったよ、って言われたらしい)


自分が良いと思っていることが、
必ずしも良いわけではない。
何が大切で、何が一番大事かを見極め、そこに尽力しなければ、やはりただの自己満足で終わってしまう、
ということを、
あらためて気がつかせてくれた、
再確認させてくれた、
そういう本番だった。

さすが。

こういうことを続けていきたい。

 

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