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2011/11/07

鎮魂の意味も込めて

昔、山てんでしたような深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まった。
(高村光太郎「レモン哀歌」より)


ここには告知していなかったが、町田市にある「ドイツ・オーストリア生活文化館」でのピアノと語り芝居の本番が無事に終わった。
四年振りくらいになるここでの公演は、どちらかというとサロンコンサートのような形式で、その名の通り、ドイツ地方にある家が、そのまま作られている、非常に珍しい建物での、本番。

今年3/11に起こった東日本大震災の鎮魂の意味も込めて、「智恵子抄」を演じてほしいと依頼を受けた。
(智恵子さんの出身は福島県)


何年振りかの「智恵子抄」は、我ながらやっぱりよくできた脚本だった。
もちろん原作の詩も抜群に良いということもある。


しかし緊張した^^;
舞台に立つのがすごく久しぶりな感じがして、
(そんなことはないのだが…)
珍しく何か所も間違えたし、かなりドキドキして、どんどん暗闇の中を突き進んでいくような感じだった。


それでも、
お客様の反応は上々で、最後はやっぱり鼻を啜る音があちこちから聞こえてきて、うん良かったのかな、と思って、自分なりに試したかったことや確認したかったこともできた。


全てにおいてそうだが、ここで終わりということはない。常に先があって、また、そこに辿り着くことは決してない。


それが、この仕事なのだと思う。



…私は、この世で智恵子に巡り会った。自分の創ったものを熱愛の眼をもって見てくれる一人の人があるという意識ほど、美術家にとって力となるものはない。私はそういう人を妻の智恵子に持っていた…


それが、芸術家だ。

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