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2013/06/17

それは決して一人では味わうことはできないし、

とにかく時間ないし、不安だし、歩きながらも電車の中でもずーっと冒頭の長台詞をブツブツ言い続ける。内容が内容だから「変な人」と思ってくれたことだろう。


劇団40CARAT30回公演『WMOの悲劇』が無事に幕を下ろした。関係者各位には本当にお世話になり、助けていただき、お礼の言葉を述べるだけでは気が済まないし、でも、とにもかくにも本当に感謝の気持ちでいっぱいで、…ありがとうございました!!


主宰からの久しぶりの電話を受けてから六日後に初めて稽古場に行った。
その時稽古場の壁にかかっていた手書きの文字には、
『公演初日まであと「10」回!!
とあった。
その日の稽古は、作品の全体像を見せていただくための通し稽古、かつ、降板される女優さんの、最後のパフォーマンス。
色んな意味で、変な緊張感に満ちていた。

そして次に稽古場に行った時、壁の文字は『あと09回』。…当たり前だ^^;

初稽古で、稽古残回数一桁かぁ
台詞量ハンパないし大丈夫なのか?

本当は最初の一週間(5/20~26)で全部台詞を入れるつもりだった。
初めて稽古に行ったあの日曜日からちょうど一週間経つ日曜日には台本を手放してやるぜ、いろいろやらかしてやるぜ…というつもりだった。

が。一週間かかって入れられた台詞は冒頭の長台詞だけ。

むひょーん

それにしたって台詞が全く頭に入らない、入っていかない。入っていく気配すらない。。。っていうか台詞ってどうやって覚えるんだっけ??!状態。

それでもなんとか翌週をかけて残りを次々と叩き込んでいく。
結局二週間かかってなんとか全部の台詞を入れたんだけど、その時既に、
♪来週小屋入りでーす♪ウフ♪
的な感じ^^;

色んなことを同時進行させて、
台詞を覚える作業もそうだけど、発声とか演技とか役作りとか、
魅せ方とか処理速度(反応速度ともいう)とか集中の仕方とか、
居方とか在り方とか、
それらを、背中で若い役者さんたちに伝えていく。
お喋りしながら伝えていくヒマはないから。


座組は非常に若い世代で構成されていた。(らしい。あんまり意識しなかった^^;
10歳年下なんてまだ普通で、20歳下、ってのもいた。
そして、稽古中には(なんせその劇団の看板女優の代役なもんだから役自体が大きくとにかく出番が多い)、出番を待つ若い役者さんたちの熱視線のなんと熱いことか。

うん、判る(笑)

皆、若さ故に技術的にはまだ未熟でも、熱意がある。
やる気はあるけど実際的にはどうしたらいいのか判らなくて、とにかく一生懸命やるしかない、というのがビシバシ伝わってくる。

もちろん、何をどうしたらいいのかなんてことは教えられない。教えたいけど。
技術は教えられるが、意識や精神は、自分で培っていくものだ。
さらには、どのように培ったがいいかは教えられるが、それも本当は自分で見つけられた方がより良い。
そしてそれは、やる気や熱意も同じで、そればっかりは本人の意識の問題なのだ。
やりたくないならやる必要はないと思う。
しんどいだけだし、楽しくないだろうから。
自分が本当にやりたいことをやればいい、と思う。
そして、やりたいからこそ今この座組の中にいるわけで。

う~ん、やっぱりもっとコミュニケーションとっておしゃべりしたかったなぁ。


しばらく芝居から離れていたからこそ見えたものもあった。
いや、今回の座組が特別に良かっただけのことかもしれない。
判らない。

ただ一つはっきりしてることは、いずれにせよ、楽しむことができた、という事実。
楽しかった。
ホントに楽しかった。
それは決して一人では味わうことはできないし、
どこででも感じることができるわけじゃないとも思う。
それが今の自分の現実だ。


 

W博士、初登場のシーン。奈落の底から光を纏って


劇団のホームページ等でこのブログを紹介してくださったみたいなのでもしかしたらメンバーの誰か見てるかもしれない、と思い、この場を借りてこっそりメッセージを残したい。

■自分は、何ができて何ができないのかを冷静に知るべし。
■出来ないことをできるように努力するのか、出来ることをさらに伸ばしていくのか、は、その人が決めることで他人が決めることではない。
■自分の演技と声は、死ぬまで生で見聴きすることはできない、だから演出家がいると思え。
■みんな決して下手くそなわけではない、まだ知らないだけ。君たちの未知の世界は君たちにしか見ることができない。だから楽しく楽しく前へ前へと歩いていけ。
■教えてもらえることは全て教えてもらえ。それは所詮全体の一割程度でしかない、残りの九割は、結局自分で掴むしかないのだから。
■自分の表現を最も疑え。
■客に媚びるな、与えろ。
■役者は、人間だ。
■このメッセージが当てになるかどうか、自分で考えろ。


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