カーテンコールで飛び出した瞬間、拍手が一際大きくなった。
久しぶりだった。
打ち上げで、打ち上がった。
本当に久しぶりに、おいしいお酒を呑んだ。
舞台上にあるのは、4脚の椅子とピアノだけ。客入後暗転になり、一番最初に明りが点いて見えてくるのは、モーツァルト。
やがて、指揮者とピアニストに明りが点り、序曲が始まる。
第一声は、この序曲中だ。
この、(わざと)ゆっくりの序曲を止め、指揮者に文句を言うところから、この話は始まる。
いきなり、満席の客席が沸いた。
もちろん受けを狙ったわけではない。おそらくその設定が面白かったんだと思う。
『フィガロの結婚』はコメディなのになかなかお客様に笑ってもらえない。
それはきっとオペラだから大声で笑っちゃいけないんだ的な保守的な考えが根付いてしまっているからかもしれない。
しかし、今回は、ほしいところでことごとく笑いがきた。
お客様が楽しんでる様子が、手にとるように判った。
まさしく、大衆オペラだった。
GP後、本番前にタバコを吸ってたら、指揮者が来て、
物語の後半、(指揮棒を)振ってるとあらためてモーツァルト(の音楽)ってすごいなって思うんです、(曲が終わって)振り終わると目の前にモーツァルトが実際にいて、泣きそうになるんですよ、
と。
つぶらな瞳を潤ませながら笑って言った。
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