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2010/08/16

「飢えている」人たちの手助け

記憶が薄れていないのは、やっぱり濃密だったからかもしれない。

相模原シティオペラの公演「カルメン」が無事に幕を降ろした。
ご来場頂いた多くのお客様はもちろんのこと、出演者・スタッフ一同には、心より感謝の意を述べたい。
本当にありがとうございました。
そしてそれと同時に、「イル・トロヴァトーレ」もまた、とりあえずなんとか無事に幕を降ろせた。
こちらは、とにかく舞台スタッフに多大なご迷惑をおかけした。



さて、実はこの「カルメン」、結構何度か演出経験がある。
演出だけじゃなく、抜粋台本にいたっては45パターン書いてるし、しかも出演経験さえある(地方にも行ってるし)。

でも、まるまるノーカットで全部やったのは初めて。

カルメンという物語、実に演劇的で、面白い。
特に今回は、オーディションで公募して集まったキャスト達で、
え、なんで貴女のような方がこんなしがない市民オペラのオーディションを?!
というような人もいてびっくりした。
歌えて当たり前だと判ってる人たちが、演出家が芝居の人だから演技もしっかりつけて欲しく受けました、なんて。

それぐらい、カルメンという役も、音楽も、そして物語も、人を惹きつけるのかもしれない。

今回は、各キャストとも色々と議論になったり話し合いになったり、様々なことが面白かった。
(慣れてくると、「実はこのシーンいつも釈然としないで本番迎えてたんですよ…」なんてこともいっぱいあった)
ただ歌うだけに見えて、色んなことを感じ、でもそれをどこに・誰にぶつけていいか判らなくて、今日まで来てしまった中堅どころの歌い手さんたちは、
そんな思いをしているだけあって、
謙虚だし、また欲求不満にもなっていて、それでいて、確固たる経験から齎された実力というものがある。



この夏により強く思ったのは、
オペラなんだから音楽部分はもちろんできて当たり前で(それはキャストも音楽スタッフも)、その上できちんとキャラクターを演じ表現しなければ、決してドラマにはならなくて、ドラマにならなければオペラとは言えない、
ということ。
歌うだけではすまない、その必要性が、一部の歌手の人たちは痛感として持っているように感じた。
だからこそ、そういう、ある意味「飢えている」人たちの手助けができればいいなぁ…

と思うんだけど…


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