「天才と呼ばれる人」

この世の中の全てのことで、誰にでも、簡単にできることなんて一つもない。

全て。
そんなことは、きっと誰でも知っている。
そして、ほとんどの人が、自分には無縁だと思って過ごしている。

「天才」などいないのだ。
いるのは、「天才と呼ばれる人」なのである。

天才と呼ばれるからには、それなりの理由があるのだが、しかしそのほとんどは、天才と呼ばれる人の努力によって保たれている。何もしないで何でもできる人なんていない。一つの事柄に対して、あるいは自分が為さなければならないことに対して、
真摯で、
誠意を持ち、
愛情を持っている。
だからこそ、努力をするのだ。

つまり、何の努力もしない者は、その「こと」に対して、
真摯ではなく、
誠意もなく、
愛してすらいない、
ことになる。

そして、自分は「天才」だと思い込んでる。

一朝一夕で、何もかもが身に付くわけない。
習ったという事実はあっても、それはあくまで習っただけで、身に付いたことにはならない。
身に付けるということは、
数限りない単調な繰り返しを連続し、飽くなき研究を続け、磨き続けなければすぐに錆びてしまう屑鉄であることを自覚するということである。もちろんそれを認めるのには非常に勇気のいることでもある。

それ故に、自己中である人は、自己中であるが故に、誰よりも自分自身のことが判ってない。
判ってないくせに判ってると思い込んでるからなお性質が悪い。

そしてそれは「自分は違うけどね」と思った時点ですでに自己中なのである。


自分の為すべきことに終わりなどないのに。